きもの遊(ゆう)

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単衣の着物に合わせる帯

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いよいよ6月。単衣の季節になりました。(暑いから5月から着てますが)
さてこの単衣の着物にどんな帯を合わせたら良いのか?
お悩みの方も多いのではないでしょうか?
以前のブログでその記事を書いたのですが、ちょっと手直しして再掲載させていただきます。

単衣の着物に合わせる帯ってお悩みの方が多いようですので参考になれば幸いです。

 

お買い物ツアーでも参加者の方が単衣の着物をゲットされていて「半幅帯は使えますよ。」とはお話したりしているのですが、
それ以外にも単衣の着物に合わせられる帯は沢山あります。
そこのところを今日は書いてみますね。

 

まず最初に申し上げますと単衣の着物専用の帯と言うものは存在しません。
いろんな種類の帯の中から『これなら単衣の着物にふさわしい』ってものを選ばないといけません。
そこがちょっとハードル高いのかもしれないですね。

ただ『これは結果的に単衣にしか使えないわ!』って帯も存在します。
それってどーゆーこと?わからないですよね。

順番にお話していきますね。

 

単衣の着物に締めて良い帯にどんなものがあるか?

 

1、半幅帯 半幅帯は浴衣に締めるイメージが強いですが、実はウールや木綿のような季節を問わない着物から紬や小紋などの絹の着物にもシーズン問わず幅広く使えます。
フォーマルな着物にはほとんど使いませんのでカジュアルなものがメインになりますけど。
もちろん麻などの夏専用の素材の半幅帯は浴衣や夏着物と6月の単衣のみ使用します。


2、8寸かがり帯 帯幅の8寸そのままで織りあげられている帯です。縫い代がないので端はかがって帯に仕立てます。
その中で涼しげな風合いのものを単衣用に選んで締めますが、袷の着物に合わせることも出来ます。8寸かがり帯の中には厚手のほっこりした風合いのものもありますが、そのようなものは単衣にはふさわしくありません。

3、博多献上帯 これも実は↑の8寸かがり帯の中に含まれるのですが、季節を問わず一年中締められる帯です。

こんなの見たこと有りますでしょ?
見たらお分かりかと思いますが基本的にフォーマルなものには使いませんのでカジュアルがメインになります。
なので単衣の訪問着とかにはまず締めません。
軽めの付け下げや色無地を街着にドレスダウンさせるためにあえて合わせることはあります。
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こちらは先日軽めの刺繍の単衣の付け下げにアンティークの紗の献上柄の帯を合わせたコーデです。
こういうあえてちょっと外したコーデを楽しむのも着物の楽しみですよね。

博多献上には紗献上と言われるものもあります。


紗と言うくらいですからこんなメッシュ状でちょっと透けています。


これは夏帯なので7月8月がメインですが、季節の先取りで6月に単衣の着物に合わせるのは有りです。9月の単衣の季節にあまり使わないかな?

着物の世界は季節の先取りが重要視されているので暦の上で秋になっているのに夏物の帯を使うのはあまり良しとされないのです。

4、9寸帯 その中でも薄手の塩瀬の染め帯やあっさりした刺繍の帯など


ごちゃごちゃ一杯模様の入った染帯やたっぷり豪華に全面刺繍された帯は単衣には不向きですが、こんなあっさりしたものなら単衣の着物と合わせても素敵ですよね。
ただし沢山柄が入った帯でも琉球紅型で南国風の花や生き物が入ったものなどは単衣に合わせるとピッタリなんです。
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こんな芭蕉の葉の柄で青色が爽やかな帯はもちろん単衣にも合います。

後述しますが色、柄、風合いを見て総合的に判断しないといけません。

 

5、単衣帯 裏の付いていないぺらっと1枚の帯です。アンティークにはチョクチョク見かけますが今はほとんど作られていないと思います、半分に折って半幅帯のように使ったりもします。
1枚だけではお太鼓がなかなか決まらないので2重太鼓に締める長さがあるものもあります。

 


このつづれ織りの帯も裏の付いていない単衣帯ですが2重太鼓で使っています。通常2重太鼓に締められる帯を袋帯と言いますがこれは単衣で袋状にはなってないので何と呼べばいいのでしょうね?

これら3、4,5の帯は袷の着物にも使います。その中で単衣の季節向きの色、柄、風合いの物を選ぶんです。

 

単衣の季節向きって何?と思われる方も多いかと思いますがまず柄で言えば夏の季節の柄の物。それも写実的(抽象的な柄はそこまで季節にこだわらなくても良いのです)なもの。夏限定の紫陽花、朝顔や向日葵、つゆ草等の花や夏の景色(例えば花火とか)を描いてる帯等、夏の柄なのに何故か夏帯じゃない(生地が違う夏用の絽や紗のように透ける素材じゃない)ものが存在します。これは通常単衣の着物にしか合わせられません。帯としては袷用のものと同じでも夏の柄の帯を寒い季節にしたらおかしいですよね?
↑の写真の単衣帯はハイビスカスやケイトウなど夏の花が描かれてますが夏帯じゃないので単衣にしか合わせられません。

そして着物は基本的に季節を先取りするものなので夏帯じゃない夏の柄の帯は6月の単衣に合わせて使うもので、9月の時は秋の柄のものを選びましょう。

 


またあんまりほっこりした風合いの厚みのある帯も単衣にはふさわしくありませんし、例えば塩瀬のようなスッキリして、やや薄手の帯がふさわしいとされています。


染めじゃない織りの9寸帯は厚みの有るものは単衣にはあまりふさわしくないですが薄手(透けてると夏帯なので透けてない)で色合いや柄が爽やかなら絶対に使ってはいけないとは言い切れません。ザックリと粗めに織ってあるけれど夏帯ではないリボン織の帯とかも単衣に使える帯だと思います。
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この辺は判断が難しいので迷うときはあえて冒険しなくても良いのかもしれません。場数を踏むとだんだん感覚でわかるようになって来るので。

6、夏帯 紗や絽、羅のような透けるもの、又、麻や芭蕉布、科布などの素材の帯は本来7月8月に夏の着物に合わせて締めるものですが、季節の先取りで6月の単衣の着物に合わせることもOKなんです。そして9月の単衣に夏帯は使わないと最初に書きましたが例外が有ります。


秋草など秋の模様の入った夏帯。ススキに月とかもそうですね。
こーゆーのを初夏や夏真っ盛りに締めたらおかしいですからお盆が過ぎてやや秋風が立ち始めた頃、8月の終わりの夏着物や9月の前半の単衣の着物に合わせて使うんです。
1年でホンの2〜3週間しか使わないとっても贅沢だけど、だからこそ面白い〜!

フォーマルの単衣の色無地や訪問着等には礼装用の袋帯の中から薄手で涼やかな色味のものを選ぶと良いでしょう。6月なら夏物の袋帯でも構いませんし、9月なら秋色の帯でも素敵ですがあまり分厚いものは暑苦しいでしょう。

 

お買い物サービスにご参加いただいた方にはこんなお話も少しづつしていけたらなー。と思っています。

いよいよ単衣の季節!

6月7月のお買い物サービス受付可能日はこちら。

http://yukodokidoki.hatenablog.com/entry/2019/05/10/235224

http://yukodokidoki.hatenablog.com/entry/2019/05/30/005946

 

7月のスケジュールはまだ頭しか出してませんが、まだ予定ほとんど入っていないのでご希望に合わせられるかと思います。